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熊本県宇城市にある桜十字熊本宇城病院 セラピスト対談

セラピストが思う「桜十字熊本宇城病院らしい」リハビリテーションとは?

インタビューイー:作業療法士 杉本(新卒入社)・理学療法士 尾上(中途入社)

桜十字熊本宇城病院を選んだ理由

―― 桜十字熊本宇城病院を選んだ理由を教えてください

【OT杉本】私は新卒で桜十字熊本宇城病院に入職しました。学生の頃の勉強や実習を通して、脳血管疾患や高次脳機能障害の患者さんに対するリハビリに興味がありました。いくつか病院見学をさせていただいて、桜十字熊本宇城病院に入院されている患者さんの中にも脳血管疾患の方がおられることと、職場の雰囲気やスタッフ同士の関係性がとても良くて、こちらで働きたいと考えました。

【PT尾上】私は転職で桜十字熊本宇城病院に入職しました。新卒では総合病院に就職をして主に急性期・回復期の患者さんへのリハビリの経験を積みました。その後、結婚・出産を機に転職をして、訪問リハビリとデイサービスで退院後の方を対象とした在宅でのリハビリを経験しました。その時に排泄の自立を目指す重要性を学び、“排泄リハビリテーション”の勉強をしました。病院の外で行われているリハビリも経験して『もう一度病院で働きたい』と思うようになり、子育て・家庭と両立できるところを探していて当院と出会いました。桜十字熊本宇城病院では長期療養されている患者さんが多く、排泄リハビリテーションの知識・経験が活かせると感じたので就職を希望しました。

―― 入職後の教育・フォロー体制はいかがでしたか?

OT杉本:1年目の私にとっては、先輩や同僚になんでも聞きやすい環境です。どの先輩に聞いても皆さん親切に教えてくださいますし、分からないことがあると時間をとってマンツーマンで教えてくださいます。担当する患者さんを一緒に診てもらって私が考えたリハビリ計画にアドバイスやフィードバックをしてもらったり、丁寧にフォローしていただいていると感じています。

PT尾上:私もプリセプターとして新人教育に携わっていますが、指導が偏らないように色んな先輩から良い部分を受け継いでほしいという思いでフォロー体制を準備しています。当院ではプリセプターを途中で代えて、1ヶ月間、別のプリセプターと組ませる取り組みを始めました。1人がずっと同じ新人スタッフを指導するのではなく、色んな先輩の考え方や患者さんへの声かけ・関わり方を見て学んでもらうことで視野を拡げてもらって、多くの学びや気付きを得てもらいたいという狙いです。

OT杉本:実際に私もプリセプターが代わったことでの新たな気付きや視点を得ることができました。視野が拡がった感覚があって、とても良い取り組みだったなと感じています。

PT尾上:学べる環境としては、認定資格を持っている方やさまざまな領域を学んだ方が先輩にいることも魅力の一つです。脳血管リハ・呼吸リハ・排泄リハ・ケアマネジャーなど、これまでの職場で専門性を身に付けてきた先輩スタッフが指導にあたります。桜十字熊本宇城病院には長期療養されている高齢者の方が多く、さまざまな疾患を抱えた患者さんが入院されています。そのため、さまざまな疾患を学ぶ機会に恵まれています。一つの手技に偏った指導ではなく、さまざまな分野を極めたスペシャリストがいることは、学べる環境へとつながっています。

「諦めないリハビリテーション」

―― 『桜十字熊本宇城病院らしさ』を感じることは?

PT尾上:『できるだけ寝たきりを作らない』という考え方は、桜十字熊本宇城病院らしさではないかと感じます。季節ごとのイベントを大事にしていて、そこで患者さんにも季節を感じてもらえる工夫をしています。車椅子に乗れる患者さんには移乗動作の訓練を頑張って、できるだけリハビリテーション室へ行って一緒に飾り付けや片付けに参加して頂き、寝たきりの患者さんに対しては2人がかりで移乗介助をしてリクライニングの車椅子に乗っていただきます。病院の外には桜の木や綺麗な花をたくさん植えてもらっているので、そこで季節を感じていただたり。たとえ活動に参加できなかったとしても、目で見て楽しんだり雰囲気を少しでも感じてもらえることは寝たきりの患者さんにとっても良い刺激があると考えています。また、車椅子に乗ってベッドから離れていることをご家族が聞かれると、とても喜ばれます。『寝たきりをできるだけ作らない』ということは、桜十字のスタッフみんなが頑張って取り組んでいることです。

私が勤めていた以前の病院にも療養病棟はありましたが、リハビリはほとんど介入していませんでした。入職したばかりの頃は『寝たきりに近い方でも車椅子に乗せるんだ』と正直びっくりしたのを覚えています。でも実際にやり始めてみると問題なくできることに気付かされました。これまで見たことがない表情をされる患者さんもおられ、そういった瞬間を目の当たりにできることはセラピストとしてもやりがいや仕事に誇りを感じることができます。セラピストとしてまだまだやれることがあるんだと気付けたことは、非常に良い経験です。

―― ここでの経験でやりがいを感じられた瞬間は?

OT杉本:私は実習も含めて療養型の病院は初めてだったので、働き始める前は『寝たきりの患者さんが多い中で、セラピストとしてできることってなんだろう?』という不安は正直ありました。
桜十字熊本宇城病院の先輩セラピストからは、寝たきりの方であっても体を起こす時間を増やすことが良い刺激につながるんだということを教わりました。実際に寝たきりの患者さんの担当になった時、私は起こして車椅子に移ってもらって、病棟内や病院周辺を散歩しながら季節を感じてもらおうと取り組みました。その患者さんはリハビリを始めた頃は目も開かなくて、お声かけしてもほとんど返事がない方でした。ところがリハビリを続けていくうちに「目を開けてみてください」と声をかけると目を開けられるようになりました。最近では「今日のリハビリ終わります、お疲れ様でした!」と声をかけると「今日は調子が良か。ありがとう」と返してくださり、コミュニケーションが活発になりました。それがとても嬉しくて、私は印象に残っています。

PT尾上:私はある患者さんへのリハビリを通して、病棟の看護師・看護助手の方々を巻き込むことができたのが印象に残っています。その患者さんはオムツを使われている方でしたが、ご本人さんには『お通じが出そう』『トイレに行きたい』という感覚が残られていました。私は排泄リハビリテーションについて前の職場で勉強をしていたので、『日中の少しの時間でもオムツが外れる時間を長くできれば』と考え、リハビリに介入しました。作業療法士と話し合いながら、トイレ介助量が減らせるためのリハビリを計画してトイレ動作の訓練を行っていきました。そして看護師・看護助手の方々にも協力をしてもらって、少しの声かけと介助で日中はトイレで排泄できる生活動作まで回復することができました。患者さんご自身は諦めていたようでしたが、リハビリテーション科のセラピストと病棟の看護師・看護助手が連携し、患者さん本来の力を引き出すことができました。リハビリテーション科のテーマである『諦めないリハビリ』を体現することができ、とてもやりがいを感じる経験でした。多職種がみんな同じ方向を向いていなければできなかったと感じています。

桜十字熊本宇城病院で働く魅力

PT尾上:病院が綺麗にリニューアルされ、病院の外にも桜の木や花が植えられています。患者さんにとっては『季節を感じられる病院』になったと感じます。リハビリテーション室も新しくなりました。新しい環境にリニューアルするにあたっては、スタッフ同士で意見を出し合って、窓が全開にできてリハビリ庭園と直接つなげる空間を作ってもらいました。なかなか外に出られない患者さんでも外の空気や季節を感じられる空間になっています。ほかにも患者さんに出されるお食事も、目で見て楽しめる工夫がされています。例えばバレンタインの時にはハート型のハンバーグが出されたり。患者さんからはとても好評で、季節ごとの献立を楽しみにされている患者さんが多いです。私たちスタッフにとっても、提供する側として誇らしく感じます。

今後の目標

OT杉本:当院は療養型の病院ですが、中には自宅への退院を目的に入院されてる患者さんも多くいらっしゃいます。自宅での生活動作・ADL向上に特化したリハビリテーションの技術・知識についてもこれから学んで身に付けていきたいと考えています。患者さん一人ひとりの『この生活動作を回復させたい』というご希望に応えられる力を付けたいです。

PT尾上:病院が新しくなり療養環境はとても整ったと思います。セラピストとしては、そこで長期療養されている患者さんのADLを少しでも上げられるように、病棟のスタッフさんも巻き込んでリハビリを行っていければと考えています。院内にはデイケアもあり、入院から退院・在宅での生活まで見据えた一貫したリハビリテーション治療に関わっていきたいと思います。

 


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